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2026-08-07

医療経営予約・問診医療広告ガイドライン

オンライン診療、うちはやるべきか——判断の材料と、決めたあとにサイトでやること

「様子見」のまま、数年が過ぎていませんか

システム会社から案内は届く。学会で会った同期は「うちは始めた」と言う。患者さんから「オンラインでもできますか」と聞かれたこともある。それでも、自院に本当に必要かどうかは判断がつかない——オンライン診療について、そういう宙ぶらりんの状態が続いている医院は少なくありません。

数字で見ると、位置づけははっきりしています。厚生労働省の集計では、情報通信機器を用いた診療の施設基準を届け出ている診療所は、2024年8月1日時点で 10,988施設。2022年の4,993施設から2年で2倍以上に増えました。一方で、保険医療機関である診療所は全国に88,853施設あります。つまり導入しているのは、まだ全体の1割強です。急速に増えてはいるが、多数派ではない。「やらないと出遅れる」でも「やっても意味がない」でもなく、自院の診療内容で判断すべき段階、というのが正確なところです。

2026年、オンライン診療は「解釈」から「制度」になった

判断の前に、前提が変わったことを押さえておく必要があります。これまでオンライン診療は、厚生労働省の指針(行政通知)による解釈と運用で柔軟に行われてきました。それが医療法等の一部を改正する法律により、2026年4月1日から、オンライン診療が医療法に定義された制度になりました。

実務上の変化は主に3つです。オンライン診療を行う医療機関は、その旨を都道府県に届け出ること。厚生労働大臣が定める「オンライン診療基準」に従って行うこと。そして管理者は、基準を遵守するための措置を講じること。これらは省令に組み込まれたため、違反があれば都道府県知事等による是正命令などの対象になり得ます。

「なんとなく始めて、なんとなく続ける」がしにくくなった、という意味では負担増です。ただ裏を返せば、何を守れば適法なのかが明文化されたということでもあります。導入を迷っていた医院にとっては、むしろ判断しやすくなりました。

向く場面・向かない場面は、すでに決められている

「うちの診療科でできるのか」という疑問には、指針がかなり具体的に答えています。たとえば初診では、麻薬・向精神薬の処方、基礎疾患等の情報を把握できていない患者への特に安全管理が必要な薬剤の処方、同じく基礎疾患を把握できていない患者への8日分以上の処方は行わないこととされています。急病急変の患者は原則として対面です。また、かかりつけ医以外の医師が初診からオンライン診療を行う場合には、事前に「診療前相談」を行うことが求められます。

ここから見えてくるのは、オンライン診療は新患を大量に集めるための集患チャネルとしては設計されていないということです。制度が想定しているのは、状態を把握できている患者さんの継続的な診療です。

そう考えると、現実的に効く場面は絞られます。高血圧や脂質異常症など状態が安定している定期通院、花粉症の季節の再処方、平日日中に来られない働き世代や育児中の方の再診。いずれも「新しく来てもらう」より「来ていた人が来なくなるのを防ぐ」側の話です。この観点は通院中断をサイトで防ぐ回とも重なります。

「やらない」も立派な判断。ただしサイトには書く

検討した結果「うちは対面のみ」と決めるのは、まったく妥当な判断です。触診や検査が診療の中心である診療科では、オンラインでできることは限られます。

ただし、決めた内容をサイトに書かないと損をします。患者さんは「○○市 内科 オンライン診療」と検索し、サイトに記載がなければ、確かめるために電話をかけてきます。受付は同じ説明を何度も繰り返すことになります。

対策は一行です。「当院ではオンライン診療は実施しておらず、対面での診療のみ承っております」。ここに理由を一文添えると、さらに伝わり方が変わります。「診察には視診・触診と院内での検査が必要なため」と書けば、断りではなく診療方針として受け取ってもらえます。問い合わせを減らす考え方は電話が鳴りやまない受付をサイトで静かにする回でも扱っています。

やると決めたら、サイトは「施設基準の一部」になる

ここが、今回もっとも見落とされやすい点です。2026年度の診療報酬改定で、情報通信機器を用いた診療の施設基準に、ウェブサイトへの掲示が加わりました

具体的に、自院のウェブサイトに掲示することとされたのは次の2つです。

加えて、医療広告ガイドラインを遵守すること、サイトを作成する際に「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」を参考にすることも施設基準に位置づけられました。つまりオンライン診療を始める医院にとって、Webサイトは広報物ではなく算定の要件です。院内掲示だけでは足りません。ガイドライン全般は医療広告ガイドラインの回をご覧ください。

患者さんが知りたいのは「自分が使えるのか」だけ

制度上の掲示を済ませても、それだけでは患者さんは使いません。オンライン診療のページで最も多い失敗は、「オンライン診療を導入しました」という告知で終わっていることです。読んだ人は、自分が対象なのかどうかが分からないまま離れます。

書くべきは次の項目です。いずれも「書いていないと来院前後で必ず聞かれること」ばかりです。

Web問診の回と同じで、事前に渡せる情報を増やすほど、当日の説明とトラブルは減ります。

まず「一場面だけ」決めてみる

オンライン診療は、全診療をオンライン化するかどうかの二択ではありません。うまく回っている医院ほど、対象を狭く始めています。「高血圧で状態が安定している方の、3回に1回の再診」。まずはそれだけで十分です。運用の型ができてから、対象を広げれば済みます。

一度、御院のサイトを開いてみてください。オンライン診療について、何か書いてあるでしょうか。やると書いてあるか、やらないと書いてあるか。どちらでもなく「何も書かれていない」状態が、いちばん損をしています。患者さんは判断できず、受付は電話を受け続けることになるからです。

FlagshipWorksでは、現役医師とWebデザインの専門家の視点から、オンライン診療の要否の整理と、施設基準・医療広告ガイドラインを満たしたページづくりを一緒に進めます。導入を迷っている段階でも、まずはお気軽にご相談ください。

参考

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