2026-07-10
電話が鳴りやまない受付を、サイトで静かにする
昼どきの受付で、電話が3本重なる
午前の診療が佳境に入る時間帯。会計待ちの患者さんが数人並んでいるところに、電話が鳴ります。受付スタッフが応対を始めると、また1本。内容は「今日は午後もやっていますか」「予約なしでも診てもらえますか」——数十秒で終わる問い合わせですが、目の前の患者さんをお待たせし、スタッフの集中も途切れます。こうした電話が1日に何十件も積み重なると、受付の負担は決して小さくありません。
問題は電話そのものではなく、「電話でしか答えが得られない状態」にあります。同じ質問が毎日繰り返されるということは、その答えが患者さんに届いていないということです。届け先を電話からサイトに移せば、受付は本当に人が対応すべき電話に集中できます。
患者さんは「自分で調べたい」に傾いている
厚生労働省の令和5年受療行動調査によると、外来患者が医療機関にかかる際に「情報を入手している」人は80.7%にのぼります。入手先で最も多いのは「家族・友人・知人の口コミ」で68.4%ですが、「医療機関が発信するインターネットの情報」も28.8%を占め、前回(令和2年・約24%)から増加しています。
この傾向が意味するのは、患者さんはまず自分で調べようとする、ということです。サイトを見て知りたいことが載っていれば、そこで解決して電話はかかってきません。逆に、探しても見つからなければ「仕方なく電話する」ことになります。つまり電話の多さは、サイトが答えきれていないことの裏返しでもあるのです。
「今日やっているか」に即答できるか
電話で最も多い質問のひとつが、診療の有無です。ところが多くのサイトは、診療時間の表を載せているだけで止まっています。表があっても、「今日は木曜だから午後は休診」と患者さんが自分で読み解く必要があるなら、不安な人は結局電話します。
効くのは、臨時休診・年末年始・お盆などのイレギュラーをトップページの目立つ位置で先回りして告知することです。「今週は通常どおり診療しています」の一文があるだけで、多くの電話は消えます。祝日のある週は特に問い合わせが増えるので、その週の頭にお知らせを出す運用を習慣にすると効果的です。
受付終了・予約の要否を、患者さんの言葉で書く
次に多いのが「何時まで受付ですか」「予約は必要ですか」という質問です。診療時間が「9:00〜18:00」とだけ書いてあると、患者さんは「受付は何分前まで?」と迷います。「受付は診療終了30分前まで」と一行添えるだけで、この電話は減ります。
予約についても同様です。「予約優先」「当日受付可」「初診はネット予約のみ」——医院ごとにルールは違うのに、書かれていないことが多い項目です。初診の患者さんが知りたいのは、保険証や持ち物、初診受付の締め切り時刻といった具体的な段取りです。「初めての方へ」というページに、来院前に迷う点を先回りして並べておくと、初診にまつわる電話がまとまって減ります。
場所と駐車場は、電話で説明する前に地図で示す
「駐車場はありますか」「近くまで来たけど場所が分からない」——道案内の電話は、受付にとって特に時間を取られます。口頭で右折・左折を説明するのは双方に負担が大きく、その間ずっと電話がふさがります。
アクセスページには、地図の埋め込みに加えて、駐車場の有無と台数、提携コインパーキングの場所、最寄り駅からの徒歩ルートを写真つきで載せておきます。「入口はビルの2階、エレベーターを降りて右」といった、現地で迷いやすい一点を書き添えるだけで、到着直前の電話はぐっと減ります。
「よくある質問」に集約し、電話の実データで育てる
個別の情報を整えたうえで、それらを補うのがFAQ(よくある質問)ページです。ポイントは、想像で質問を並べるのではなく、実際に電話でよく聞かれる質問をそのまま載せることです。受付スタッフに「今週どんな電話が多かったか」を1週間メモしてもらうと、載せるべき質問が具体的に見えてきます。
FAQは一度作って終わりではなく、新しく増えた問い合わせを継ぎ足して育てるものです。同じ質問が3回来たら1項目追加する、くらいの感覚で運用すると、電話の内容とサイトの内容が自然に噛み合っていきます。
電話を「減らす」のではなく「価値ある電話に絞る」
ここまでの工夫は、電話を無くすためのものではありません。症状の相談や、込み入った予約調整など、人が対応してこそ価値のある電話は残ります。むしろ定型的な問い合わせが減ることで、そうした重要な電話にスタッフが丁寧に向き合えるようになります。これは患者さんの満足にも、スタッフの働きやすさにも直結します。
まずは1週間、受付でかかってきた電話の内容を記録してみてください。上位に並ぶ質問が、いま御院のサイトが答えきれていない項目です。FlagshipWorksでは、現役医師とWebデザインの専門家の視点から、どの情報をどう見せれば電話が減るのかを一緒に設計します。受付の電話が多いと感じたら、お気軽にご相談ください。
参考
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